「肌は内臓を映す鏡」と言われます。中でも、腸は肌そのものと言っていいくらい、健康状態がそのまま肌に現れやすい臓器。
腸をキレイにすることは、あらゆるトラブルを解消することにつながります。また、腸をキレイに保って栄養や水分の吸収が良くなれば、肌細胞も栄養と水分で満たされ、多少のことでは調子を崩さない、タフな肌に生まれ変わっていくハズです。
では、どうすれが腸をキレイな状態に保てるのでしょうか?
よく言われるのは、ヨーグルトなどで乳酸菌を摂ったり、食物繊維たっぷりの野菜を摂るということですよね。確かに、それも良い方法の1つかもしれません。
でも、これらは必要な栄養の一部に過ぎません。たとえそれで便秘が解消されたとしても、ダイエットのためなどために、他の栄養が不足していたら、腸はもちろん体の正常な機能が保てないし、肌もベストコンディションを保つことはできないのです。
また、腸をキレイにするためには、「汚さない」ことも大事。もし「お腹に良いから」と、ヨーグルトや特定の野菜ばかり、くり返し食べていると、腸をキレイにするどころか、腸を汚したり、働きを鈍らせる原因にもなりかねません。
これは、「身体に良いから」「大好物だから」と、毎日同じものを食べ続けることによって起こるフードアレルギーの1つ。
今、女性2人に1人が遅延型フードアレルギーと言われています。特に健康志向の強い女性、美容やダイエットに関心が高い女性の場合、そのほとんどが少なくとも「遅延型フードアレルギー予備軍」なのです。
腸をキレイに保ち、理想の肌や体を手に入れるには、まず、食事全体を見直すことが大切。そして、自分の「食の傾向」を知り、遅延型フードアレルギーを防ぐことが、結果的に腸の炎症による肌荒れや、身体の不調を改善することにつながってきます。
そこで、『遅延フードアレルギーの症状とその改善・予防法』をご紹介します。今までの食と美容・健康の常識が、覆されること間違いありません。ぜひ、お試しくださいね。
アナタがやせられないのは“遅延型フードアレルギー”のせいだった!?
自分の食べているものの中で、どの食品が遅延型フードアレルギーのアレルゲンなのか、アレルゲンになる可能性があるのかを特定できたら、とても助かりますよね。
ところが、日本で検査することができるのは即時型フードアレルギーだけ。遅延型フードアレルギーの検査は、今のところ日本では行われていません。そのため、遅延型フードアレルギーの方が病院へ行って検査しでも、「アレルギーなし」という結果しか出ないのです。
ただし、一部の医療関では、海外の専門機関に血液を送ることで検査を実施しているので、知る機会が皆無ではありません。
単品ダイエットの経験がある女性は、かなりの人数にのぼると思いますが、そういったダイエット歴を反映していて、パイナップル、リンゴ、グレープフルーツ、卵など、かつて単品ダイエットで毎日食べていた.ものが、全て高アレルギー反応を示していた・・・なんていうケースもあります。
遅発型フードアレルギー検査のサンプルと症例
単品ダイエットがブームになって、それを始めたものの、いくら頑張っているのにやせないのどころか、体調が悪くなり、肌や髪まで荒れてしまったという人も少なくないでしょう、これは、単に栄養が偏っていただけでなく、遅延フードアレルギーによって腸の炎症が起こっていたのかもしれません。
身体の中で、ジワジワと炎症や酸化が起こっていたのですから、やせなくて当然だし、肌や髪がボロボロになるのも、また当然の結果なのです。さらに新しい単品ダイエット法がブームになれば、またそれを始め、アレルギーを悪化ときせていたなんて、身体にとってはまるで拷問ですよね。
遅延型フードアレルギーは、検査できる医療機関が限られていますし、保険も適用されません。そのため誰でも気軽にというわけにはいきませんが、もし、長年体調の悪さや肌荒れで悩んできた方は、一度試してみるのもいいかもしれません。
「それはちょっと無理・・・」という人には、自分自身でセルフチェックする簡単な方法をご紹介しますので、ぜひお試しください。原因となる食品を一定期間食べないようにすれぱ、アレルギー症状を改善することができますし、今後起こるかもしれないアレルギーを予防することもできるでしょう。
まずは2週間だけ、やめてみよう!
アナログなやり方ではありますが、まず、1週間くらい食事日記をつけてみて、「これ、がアレルギーの原因かな?」と思われる食品を探してみましょう。そして、有力なものから順に1つずつ2週間ほど食へるのをやめ、消去法でアレルゲンを絞り込んでいきます。
炎症を起こさせる「腸フィルターの掃除屋(=IgG)」は、6ヶ月でリニューアルされます。そのため、本来は、アレルゲンになっている食品を6か月間食べないようにするのが理想ですが、6ヶ月間も1つの食品を食べないようにするなんて、とても無理ですよね。でも、2週間くらいなら、何とかやれそうではないでしょうか。
もし、それがアレルゲンなら、2週間食べないだけでも身体が軽いと感じたり、顔色が良くなったり、肌荒れやニキビなどの状態も変わっていくハズ。
逆に、2週経っても何の変化もなければ、その食品はアレルゲンではないということですから、次の候補に移りましょう。かなり地道な方法ですが、こうして1つ1つ候補を消していけば、アレルゲンを特定できるはずです。
ただし、原因は1つとは限りません。複数の食品が影響していることもあるので、1つ見つけたからと言って安心はできません。
女性に多い5大アレルゲン
炭水化物以外で主に食べているもの
まず、単品ダイエットをしている人は、その食品を食べるのをやめましょう。
また、カロリーを減らすために、主食の代わりにコンニャクや寒天、野菜などを食べているという人も、その食品をやめて、普通の米飯に切り替えてください。日本人では、米がアレルゲンになることはほとんどありません。ご飯をしっかり食べていないと、むしろ糖分不足でイライラしたり、食欲が増すという弊害があることを忘れずに。
遅延型フードアレルギーで起こる症状
消化器官 | 過敏性腸症候群, ガスがたまる, 便秘, 下痢, 吐き気 |
神経 | 不安神経症, 情動不安定, 憂鬱, 集中力不足 |
筋骨格系 | 関節炎, 関節痛, 筋肉痛, だるさ |
泌尿生殖器系 | 夜尿症, 頻尿, ほてり, 尿意切迫, 膣のかゆみ, おりもの, 月経前症候群(生理痛) |
呼吸器系 | ぜん息, 鼻水, 鼻づまり, 慢性副鼻腔炎, 慢性咳, 咽頭炎 |
循環器系 | 不整脈, 胸痛, 高血圧, 頻脈 |
外皮系 | にきび, アトピー性皮膚炎, ふけ, 湿疹, 目の下のくま, 多汗 |
その他 | 慢性疲労, 偏頭痛, むくみ, 口内炎, ドライアイ, 涙目 |
小麦食品
パンや麺碩などが大好きで、ほとんど毎日食べるという人には残念な話ですが、これも有カな候補の1つです。代わりに、ご飯やもち、おこわ、米粉のパンなどを食べるようにしてください。ただし、小麦粉は以下の食品にも使われているので、できるだけこれらを食べないようこしましょう。
小麦が含まれている食品
パン、うどん、パスタ、ラーメン、そうめん、お好み焼き、マカロニサラダ、菓子類(菓子パン、クッキー、ケーキ、カステラ、かりんとう、どら焼きなど)、クリームソース、ホワイトソース、ちくわぶ、ビール、麦焼酎、ウイスキー、麦茶など
乳製品
乳製品も身体に良いと思って、毎日食べている人が多いででしょう。もちろん、「食べないと、むしろ調子が悪くなる」という方は、リストから外してOKです。
乳製品が含まれている食品
牛乳、ヨーグルト、チーズ、乳酸菌飲料、生クリーム、バター、アイスクリーム、シェイク、クリームスープなど
卵
卵は、とても良質なたんばく源です。でも、お菓子、ラーメンや練り製品、その他の加工食品のつなぎとしても入っているので、気づかないうちにくり返し食べている場合も。あまりに様々な食品に含まれているので、完全に排除するのは無理かもしれません。明らかに入っていると分かるものだけでも、やめるようにしましょう。
卵が含まれている食品
一卵料理、パン、ケーキ、ブリン、カスタードクリーム、マヨネーズ、ラーメン、お好み焼き、加工食品など
砂糖
これも、女性に多い遅延型フードアレルギーの原因の1つです。
甘いもの好きにとって、2週間やめるのはかなり辛いかもしれません。その場合は、1日おきにするとか、量をいつもの半分にしてみるだけでもOK。
砂糖には中毒性がありますが、2週間食べないでいると、禁断症状も治まり、味覚も変わってくるものです。この機会に、砂糖中毒から脱出しましょう。どうしても甘いものが食べたいときは、フルーツや砂糖不使用のドライフルーツを。
なお、三温糖やきび糖も、白砂糖と同じでサトウキビが原料なので、砂糖中毒になる場合があります。砂糖の代用として使うなら、ハチミツやメープルシロップなど、サトウキビ以外の原料のものにしましょう
白砂糖が含まれている食品
甘いお菓子全般、金時豆など甘みのある料理など。
※なお健康食品でも、これらの材料が含まれている場合があります。気になる人、思い当たる人は、原材料表示をチェックしてください。
週3回以上同じものを食べない
「美容・健康のためにバランスの良い食事を」
とフレーズは、昔からあらゆるメディアで紹介され、耳にタコかと思います。
しかし、「バランス良く食べる」というと、ほとんどの人が「1回の食事で、色んなものをバランス良く食べる」という意味だと、ずっと思ってきたのではないでしょうか。
でも、いくら1食あたりのバランスが良くても、1日3回同じメニューだったり、朝は毎日トーストとコーヒー、昼は毎日パスタランチという食事をしている人も多いハズ。これでは、サラダやスープを足したところで、やはり偏った食事なのです。
実は、「バランスよく食べる」というのは、「1週問を通して色々なものを食べる」というのが正解。そうすれば、遅延型フードアレルギーになるリスクも低下するハズです。
遅延フードアレルギーを予防するためには、少なくとも、週に3回以上同じものを食べないこと。大好物を食べたら、3日は空けるようにしましょう。食べる食品や食材、好きな食べ物は、加工食品やお菓子ならメーカーを変えてみる、野菜や果物なら産地を変えてみるというのも1つの方法です。
また、意外なところでは、トマトや大根などの野菜で遅延型フードアレルギーになってしまう人もいます。
もちろん、トマトが悪いワケではありません。トマトは、抗酸化成分のリコピンを含むこと、手軽に食べられることなどで女性に人気の野菜、ついつい食卓の常連アイテムになってしまうのでしょう。トマトにも色々な種類があるので、せめて種類だけでも変えてみてはいかがでしょうか?
また、大根は、煮物、味噌汁、サラダ、刺身のツマ、漬け物など、色んな料理に応用できるので、気づけば毎食食べていた、ということになりやすい食材です。
トマトや大根以外でも、特に旬の野菜はおいしくてお買い得なため、つい大量買いして毎日食べてしまいがちですが。メニューにバリエーションをもたせるだけでなく、食材のバリエーションを工夫するようにしていきましょう。
朝食も曜日によって、リゾットや雑煮の日を作ったり、パンの代わりに餅を焼いて食べる、また外食するなら、ランチも行くお店を日によって変えたり、違うメニューを選ぶように、意識してみてください。
腸をキレイに保つためにも、「パターン化のワナ」にはまらないよう要注意ですよ。
ところで“遅延型フードアレルギー”って何?
「食べ物のアレルギーなら知ってるけど、私はアレルギーなんてないし・・・」という人も、多いのではないでしょうか。
一般的には、フードアレルギーというと、そばアレルギーや甲殻類アレルギーなど、あるものを食べてすぐに、赤みやカユミ、湿疹などができるアレルギーのことを指します。
実は、フードアレルギーは「即時型」と「遅延型」の2つに大きく分類されるのですが、一般的に知られているのは「即時型フードアレルギー」の方。
即時型フードアレルギー
- 症状が現れるまでの時間:食べた直後か、少なくとも1時間以内。
- 主な症状:赤み、カユミ、ムクミ、湿疹のほか、下痢、胃痛、発熱、呼吸困難など。
遅延型フードアレルギー
- 症状が現れるまでの時間:早くても数時間後、長い場合は数週間以上。
- 主な症状:疲労感やだるさ、頭痛、めまい、ほてり、おなかの張り、便秘、下痢、目の下のクマ、ニキビや吹き出物など。
遅延型フードアレルギーは、発症までの時間が長く、何が原因なのか特定しにくいのが大きな特徴の、そのため、「潜在型フードアレルギー」とも呼ばれます。
また、遅延型フードアレルギーの場合、症状も即時型ほど激しくなく、女性なら1つくらいは身に覚えがありそうなものばかり。更年期症状ともちょっと似ています。それだけに、本人も周囲も、「最近疲れ気味だから」とか、「年齢のせいかも」と思い込んでしまい、フードアレルギーとは気づきにくいのが、余計にやっかいな点でしょう。
そのうち治まるだろうと思って、アレルギーの原因となる食べ物を食べ続けるうちに、悪化したり、慢性化してしまったり、老化を早めてしまうこともあるのです。
「疲れ、肌荒れ、吹き出物なんて、まさに私のことかも!?」と思った人も、多いのではないでしょうか?でも、ご安心を。遅延型アレルギーの予防・改善の第一歩は、「もしかして私かも・・・」と気つくこと。気づきさえすれば、あとは食事を見直せば良いのです。
「アレルギーじゃない女性」を探す方が難しい!
では、一体どんな食べ物が、遅延型アレルギーの原因(=アレルゲン)になるのか?実は、「水以外のすべての食べ物」が、アレルゲンになる可能性を持っています。
もちろん、普通に食べているだけでアレルギーになるワケではありません。その人の消化管の分解能力を超えて、「毎日のように食べ続けているもの」が、アレルゲンになると言われているのです。
食べ物を分解して消化・吸収する能力には、個人差があります。また、消化しやすい食べ物、消化しにくい食べ物も人によって違います、なので、何をどれくらい食へるとアレルゲンになるという、明確な基準があるワケではありません。
とにかく、特定のものを、その人のキャバシティを超えて,くり返し食べ続けていると、消化しきれなかったものは腸(小腸)に残り、へドロのように腸管内部の壁にくっついていきます。すると、栄養を吸収すべき腸管のフィルターは、目詰まり状態に。目詰まりを起こしたら、掃除をしなくてはいけません。
そこで、腸管フィルターの「お掃除屋さん」として登場するのが、「IgG」と呼ばれる抗体です。このお掃除屋さん、とても優秀なのですが、たんぱく質と一緒になると炎症を起こすという、1つ悪いクセがあります。また、その過程で活性酸素も発生し、これが、さまざまな症状を引き起こす原因。免疫力の低下や細胞の老化にもつながってしまいます。
男性の場合、やせるため、美しくなるためと、伺か特定のものを食べようとすることが少ないためか、遅延型フードアレルギーになる人はそれほどいません。
一方、女性は「便秘予防に〇〇」「美肌のために〇〇」「ダイエットのために○○」と、できるだけ良いと言われるものを食べようとします、つまり、「アレルギーでない女性」「アレルギーになりそうもない女性」を探す方が難しいくらいなのです。
まとめ
肌荒れが、便秘やストレス、栄養不足で起こることは、多くの人が知っています。しかし、いつもの食べものによって腸が炎症を起こし、身体の調子が崩れてしまうというのに、ショックを受けた人も少なくないでしょう。
ただ、今までの食事内容やダイエット歴が完全にリセットされ、アレルギーの値が全てゼロになることは無理に等しいので、これからどういう食生活を送るかということが大切です。お気に入りや定番の食べ物が減るのは少し寂しいですが、色々な食材・品種・メーカーを試すというのも楽しいものですよ!